機械製法 グッドイヤーウェルテッド

半永久的にソールを変えられる製法として、グッドイヤーウェルトと前回紹介のハンドソーンウェルテッドが挙げられます。大きな違いとしては、ハンドソーンウェルテッドは産業革命以前から続く手製法、今回ご紹介のグッドイヤーウェルテッドは19世紀後半にアメリカで台頭した機械製法です。

本革ソールの張り替えをしながらお召しいただけ、耐久性に優れ、足なじみも良いです。機械性のため、ハンドソーンウェルテッドより価格が抑えられます。こちらもハンドソーンウェルテッド同様、研ぎ澄まされた職人さんの技術があって初めて美しいシルエットが叶います。ハンドソーンウェルテッドに見られる様なドブ伏せはなく、レザーソールへはステッチが顕になります。またハンドソーンウェルテッドほどの繊細さはないものの、質実剛健な作りは多くの人を魅了してやみません。

来年には、GOODYEAR WELTEDのコレクションも紹介の予定です。どうぞお楽しみにお待ちいただけますように。

断面図
  1. upper (表革) 美しく艶やかで丈夫な革を使用。
  2. lining (裏革) 足になじむしなやかな革を用います。
  3. welt (ウェルト) 1. 2.の甲周り・9.の中底と7.の本底を結合する役割を担います。
  4. outsole seam (だし縫い) 厚みのある本革を用いる。機械によるステッチ。このステッチを外すと7.の本底を張り替えられます。
  5. welt seam (すくい縫い)
  6. outsole (本底) 幾度と張替が可能。
  7. cork filling (中もののコルク) 踵部分には鉄のシャンクも入ります。
  8. insole (中底) 足になじみの良い天然革を使用します。